台風と灼熱とゲリラ豪雨/ホロウ・シカエルボク
 
、閉ざされたシャッターの前にはパイプ椅子が数脚たたまれた状態で捨て置かれている、俺は晴れた日でもこの場所で時々、この椅子に腰を掛けて時間をやり過ごす―ふと、同じように人混みを逃れたらしい三人の若い女が入ってくる、ひとりは、デヴュー当時のアヴリル・ラヴィーンみたいに髪を染めた肩までの乱暴なシャギーで、ミック・ジャガーの映画に出てた黒人の女優によく似ていた、もうひとりは黒髪のロングヘアーで、竹細工かと思うほどに細身な女だった、もうひとりはボリュームを抑えたショートボブで、ダークブラウンに染めてあった、三人とも身長は一六〇あるかないか…少ない光源で確認出来るのはそれぐらいだった、彼女らは俺の方に目をやる
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