中村梨々詩集『青挿し』について/葉leaf
 
や伝記だったら「事実」に合っているものが「正解」とされるかもしれませんが、詩はそもそも事実を指し示さないので、事実と対応させる必要がないのです。だから、詩の解釈は自由にやってよいのです。
 この詩集『青挿し』についても、読者は自由に解釈してかまいません。ですが、そのような自由な解釈の一例として、私自身の解釈を簡単に書いておきたいと思います。読者の方々のてびきになれば幸いです。
 この詩集では季節の移ろいが大きなテーマになっています。「春」「夏」「二月」などのことばが詩のタイトルにもなっています。一方で、空や海、そしてその両方を包み込むような「青」も登場してきます。そういった主要なモチーフととも
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