トイレの花子さん☆/藤崎 褥
 
い。
 どうしたのだろうと思っていると、女子生徒たちがトイレから出てきた。
 そして、こう言った。
 「うちのトイレ、6番目までしかなかった…」

 さすが小学生である。最も大切な要素を忘れていたのである。
 六つしかトイレがないのでは、花子さんを呼ぶことが出来ないではないか!
 …こうして僕らは一つ大人になった。

 ところでその時、姉も同様のブームの中にいたので、同じように花子さんと触れ合う為のおまじないをしていた。

 それがトイレにキュウリを置くという儀式である。
 これは花子さんの好物がキュウリなので、トイレにそれを置いていくと、次の日には食べられており、キュウリ
[次のページ]
戻る   Point(9)