そんなことを話している間に/ホロウ・シカエルボク
に身体を預けながらどうにか立ち上がったがすぐに崩れ落ちてしまった、そんなことはここ数年まったくなかった、記憶があろうがなかろうが、限界はわきまえているという自負があった、でも、こんな有様になっているってことはきっとなかったんだろう…ヘイ、と頭の上で声がした、GTAシリーズからまんま抜け出してきたような黒人の売春婦が楽しげに笑いながら俺を見降ろしていた、「なにしてるの?ブロードウェイにでも出るつもり?」前時代的なジョークだな、そう言おうとしたが口が動かなかった、しかたがないのでほっといてくれ、と言うように手をひらひらさせて追い払おうとしたが女はしゃがんで俺の右腕を両腕で抱いて力の限り持ち上げた、それ
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