ヒューマニズム/ただのみきや
 
広げた
依存しながら搾取し破壊し
時に圧倒的に破壊されて
人間にしか意味のない価値観
人間だけが持つ奇妙な感情
人間が自分のためのシステムを構築しながら
尚も自然の一部であるという矛盾

自然界における人の役割が
破壊と搾取だけでないとしたら
人だけが持ち合わせているものがあるとしたら
それは
自らのではなく他者の不幸や悲しみに対する共感性
概念化された自由や平等や博愛ではなく
無邪気なヒューマニズムこそが
人の人としての役割を機能させる
人同士は無論
鳥や動物
花や木
山や海や風や季節にまで
心を響かせてしまう
割り切れない愚かさと矛盾を含みながら

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