生温い風邪の週末/ホロウ・シカエルボク
違いないぜ
自分を見て欲しくてしかたないんだろう
中身のないやつは喧しく吠えるものだ
昔俺は
読みかけの本をそのまま閉じるのが好きだった
栞など挟まなくてもいいと思っていた
どこまで読んだかなんてすぐに判るから―
そう、そんなことはずっと忘れていたんだけど
これを書いてる途中で急に思い出したんだ
だけどいまはきちんと挟んでるってことは
きっとそんなに重要なことじゃなかったんだろうな
本を読むときに必要なことは
そこになにが書いてあるのかきちんと読み取ること
字面を流し見て判ったような気になってるやつらが増えたぜ
きっとSNSの仕業なんだろうな
優れた文章には二つ以
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