時代/こたきひろし
時間は流れているらしい
その一途な流れを人は河にたとえる
時間は流れて止まらないらしい
それが河ならば水のように透き通っているのか
時間は流れて止まらないのであって
けして雨になって降って落ちて来たりはしない
時間は流れて止まらないので
時間をポケットに入れて駆け出したりしたら転んで奈落に落ちてしまうかもしれない
そんな事起こる訳がない
ある朝に
女は男へと背後から近づいてその両手で目隠しをした
男は驚いて女の手をいきよい振り払った
女は男の思わぬ反応に戸惑ったが甘える声で
ごめん、怒ったの?
すると男は答えた「子供の頃から目隠しは苦手なんだ」
それを言われて
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