のぞみの受難/ペペロ
 
うにしているのに。
この道は呪われているとか、昔太い木を伐った祟りだとか、小学校でもうわさになっていた。のぞみはうわさ話に加わらなかった。
車が壁にぶつかったような音がして、うしろで女性の叫び声がした。またなにか起こったのだ。のぞみの頭になにかが当たった。
立ち止まって頭を手で押さえたらなにも付いていなかった。よこを見たら靴がひとつ転がっている。お天気占いみたいに転がっている。曇り。
うしろを振り向くと変形した男のひとが倒れていた。
のぞみはうえを見た。マンションだ。飛び降りだ。
のぞみはなぜ男のひとがじぶんに当たらなかったのかを考えてハッとして、また塾までの道を走った。
ほんとうに
[次のページ]
戻る   Point(2)