詩は記録される雨音/ホロウ・シカエルボク
って
もっともらしいこと言ってたのはどこの誰だったっけ?
印象的な台詞は作者を忘れさせてしまう
その意味を喜ぶのが楽し過ぎるせいさ
俺の家がある大通りから一本外れた小狭い路地の片隅に設えられた側溝には
もう何年も流れていないような水が溜まっている
時折近所の人間が竹箒を突っ込んで流そうと試みるけれど
先で致命的に詰まっているらしくてすぐに戻ってくる
半時間もするとなにも起こらなかったみたいにそこで澱んでいるのさ
俺はああまだここは詰まっているんだなと思うだけだけれど
どうしても流したがってる連中は自分の人生を見るようで気に入らないのかもしれないね
だけど仮にそこの水が流れ
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