カスケードのなかで不用意な感情は息を潜めている/ホロウ・シカエルボク
たところで解明されはしないのだ
侮蔑的な表現を含んだセンテンスが非難されている光景はパラノイアックの極みだ
打撲痕のような雨雲が陰鬱な独り言のように点在する真夜中の空はそんな現象の絵画だ
アルコーブに陳列された土塊にまみれたふたつの生首の口腔はぼんやりと開いていて
その無意味な穴から零れてくる無数の奇妙な音符を五線紙に貼り付けて辻褄を合わせる
ブカレストの広場で張り詰めた舞を続けているバレリーナのどうしようもない絶望
蓄音機はいつだってお前の望むように滑らかに針を滑らせてはくれなかった筈じゃないか
喀血のような睡魔が突然に脳髄を沈黙させようと執拗に画策するのを忌々しく思うし
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