気の遠くなりかたについて(山茶花オクリ讃2)/渡邉建志
 
を抛るのだ。僕たちが行う山登りがいつのまにかお遊戯というこ
とになっていたとしてもおかしくはない。すぐに僕たちは滞るだろう。滞って
なおも肩だけを怒らせて、首から上を息をなるべく長く吐くことで燃やす。

繰り返される「雪」と「僕たち」。リレーして行くことにより自動化を走らせているように。自動化が始まれば世界が回転して想像を超えて行く。この行為自体が贅言であろう。雪を彼の口に押し込むことも、明らかに必要とされていない情報「僕らの口に入る雪は数ガロンが限界」も「いやだなあ」(読点なし)も現実世界から連続的に繋がった意味のわからないところにある。滞るだろう。滞って。意味のないバケツリレーのあと
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