Inorganic(性質など関係ない)/ホロウ・シカエルボク
の思っている知とは違うものだ
お前の言う知とは抽斗を綺麗に整頓出来るとかいうことと同じことだ
俺は血の動きで知る
お前が知らぬまま流している血の動きで
食い尽くされた皿の上には
書かれることがなかった詩のような空白が乗っている
見えるものには片付け辛いシロモノだ
こともなげにそれをシンクに持っていくのは決まって
いままで目にしてきたどんなことをも
深く考えたことがない世界の奴隷たちだ
空っぽのテーブルが語ることはなにもない
そこにはなにかが用意された形跡はないからだ
しいて言えば片付けられた過去が少しの間
雨のあとの景色に漂う
薄い霧のように流れていくだけだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)