貯蔵庫が騒々しい―たとえそれを完璧に閉じ込めていたとしても。/ホロウ・シカエルボク
…だから誰も俺の記憶が確かなのか、保証してくれることはない。俺はただ一人、(どうして誰も覚えていないんだろう)なんて首をひねって、ときにはそれが現実に起こった出来事ではなくて、昔夢で見た光景を現実と勘違いしているんじゃないだろうか、なんて考えてみることもある、俺の、リアルに対するスタンスが少しおかしいんじゃないかって―だけど、そんなことにも、やっぱり意味なんかないんだよな。俺がたまたまそういうタイプの人間だったってことだ。若いころにはどうしたってそういうことにこだわってしまうけれど、でも、そんなことを納得いくまで突き詰めてみたところで、どんな正解にも辿り着きはしないし、こじつけたところで価値はない
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