GIRLS OFF/佐久間 肇
もぎ取って、少女は誇らしげに掲げる。
りんごは太陽を隠して、
隠された太陽は居場所がなくなって
泣きながら怒って、落ちていった。
噛み砕かれなかった欲望は
歯の間に挟まるような、ささくれ立って規律正しい順序をもつ。
横一列・縦一列に整列をして、獣の道を誘導する。
ぶつ切りの言葉を並べて、少女はしどろもどろ。
少女の持つ桃色の肉片では、手の届かないプラチナ色のアレ。
アレ。あれ。あれがほしいの。アレよ、あれ。
今までだったら少女の意のままだったりんごたちは
しかし、いっせいにそっぽを向く。
だって、もう貴女は少女じゃなくなってしまったから。
りんごの
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