完全体のためのプロト/ただのみきや
 
たり

だが壊れた言葉の殻に耳を当てて目を瞑れば
ちゃぷちゃぷ揺れる潮だまり 原初の海の
やはり形の持たない生命以前の意識の火花である
わたしたちの
ささやかな干渉が聞えるはず
言葉未満の囁き息づかい
ふだん足跡も異様すぎてそれとは気づかない
未知の獣が たった今
自分の意識の奥へと消えたかのよう 奇妙な
不安 喪失感 なんてねハハハ

既存の言葉を可能な限り工夫して暴き出し描き出し 
意識下の光に晒し客観視しようと努める
イメージを言葉に置き換えて伝え
伝えられた言葉からイメージを受け取ろうとする
そんな誤読と錯覚の時代はもうすぐ過ぎ去る
意志や感情 情報のす
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