完全体のためのプロト/ただのみきや
 
雨粒の一つ一つが水の惑星として多くの生命を宿している
ちょうど今日のような日に
水は忍び寄る 音楽に紛れて
耳の奥の貝を発芽させるために

アンモナイトが石の生を得るずっと前
いい陽気の朝だった
いくつもの夢に分かれた一つに
来るべき言語の時代とそれに続くであろう
イマジネーションによる以心伝心の世界を見た
概念的数の選択肢
同じ程度横やりを入る予測可能及び不可能な偶発的出来事
流砂のような個々数多の気まぐれ
要は遠大な過程を趣とする阿弥陀クジを
引いて辿ってみたくなり
乗り物を降りた
意識を
霧散するに委ねて

微小な生命の活動電流に時折なにかの印象だけ

[次のページ]
戻る   Point(5)