夜を落ち続ける(終わりが明記されないまま)/ホロウ・シカエルボク
吐きに行く気分にもなりはしない、落下の感覚から足を踏み外したらどうなってしまうのか―その答えを出すことがいつだって出来ないからだ―喉に力を込めて、出たがってる連中を押し戻す、それは宿命的な儀式だ、喘ぎながら、俺は落下し続けている…人間が死んで、落ちていく先は地球の直径よりもずっと下にあるのだと昔どこかで読んだことがある、不意に俺はそんなことを思い出す、もしかしたら―もしかしたら俺は毎夜、同じ落下を続けているのかもしれないな、そのとき初めてそんな考えが頭をよぎる、同じ軸の上を落下し続けているのだ、朝が来るごとに印がつけられ、今夜はここからだと―いわばセーブした地点からまた始まっている、そんなものなの
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