夜を落ち続ける(終わりが明記されないまま)/ホロウ・シカエルボク
 
ものが鎮魂でないことを確かめようとして―だけどそれは無駄なことだ、シチュエーションではない、なにを歌われているかなんてことは関係がないのだ、いまこのとき、それはレクエイムとしてでしか存在しえない、たとえ、果てしない草原の歌が歌われていたとしても…明かりをつけても幻想は終わらない、むしろ、覚醒せんと目論む意識を嗤うみたいに滑り込んでくる、俺は寝床で落下していく、実体のないフリー・フォールはいつだって世界記録を更新するさ、速度も、深度も…目を見開いて、身体を撫でていく風を眺めている、そんなこと以外になにが出来ると―?思えばそれははじめからそこにあった、俺がそこにあると気づく前から、ずっと…おそらくはそ
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