おだやかな水の流れがすべてを飲み込んでいくように/ホロウ・シカエルボク
る―まるで呼吸する写真みたいだ、とぼくは思う、そんなものを写真と呼んでいいのかどうか判らないけれど、そんな現象にもしも名前を付けるとするなら、間違いなくそれしかない、人工的なコーヒーの苦みを飲み干しながら、ぼくは新しい呼吸する写真を脳裏のアルバムに刻み付ける、それはこの先あまりたくさん保存されることはないだろう、そんな予感に苛まれながら…十分あまりそうしていただろうか?やがてきみは立ち上がる、人類の進化の絵みたいに、鉄パイプが差し込まれたみたいに真っ直ぐな背中をこちらに向けて―ぼくはハンカチと絆創膏を準備してきみの前方に回る、案の定膝を擦り?いている、きみはまだあまり戻ってきてはいない、夢の途中で
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