おだやかな水の流れがすべてを飲み込んでいくように/ホロウ・シカエルボク
 
きみとは違う個体であるぼくがあるとき辿り着いた結論はそこだった、最近は自動販売機で飲み物をふたつ買って、きみがこの世界に帰ってくるまでに飲み干しておくことだって出来るようになった、意味なんか求めてはいけない、日常にしてしまえばどうということはなくなる、ぼくにとってきみは日常であり、きみの突飛な行動だってやはりそうなのだ―そういうときぼくが気をつけておかなければならないことはひとつだけだ、きみの行動にイラついてきみになんらかの危害を加えようと試みるものが現れたら、そいつをきっちりと排除する、きみに指一本触れることがないように…だけどそんな人間が現れたことはなかった、誰かをいらだたせるにはきみの行いは
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