死を超えたものだけが本当に語ることが出来るだろう/ホロウ・シカエルボク
 
環する先を失った血液は内臓疾患によって喀血した血液のように溢れ出して凝固する。生命の最期を地図にでもしたがっているかのように。寒い春のブルースの始まりはきっといびつなEに違いない。踝の鈍い痛みは闇雲に求め過ぎたせいだろう、次に死ぬのは安物のスニーカーに違いない。短くなった髪の毛の隙間をがりがりと掻きながら、蛇のように体内を泳ぐ朝食を感じている。補給、捕食。何のための摂取なのか。死に物狂いで生きる理由などこの頃じゃだれも抱えてはいない。疲れるだけ効率の悪い機械みたいなものだ。指定された指示をこなすだけの日々なら光の消えた目つきでも咎められたりなんかしない。スターマンは本当に星になり、白く発光していた
[次のページ]
戻る   Point(0)