空飛ぶ眼球/狩心
 
た服の皺を正して
化粧をした女が買い物に出かける
ルンルンと舌の上で眼球を転がしながら
坂道を前転で転がり落ちて
頭がぱっくりと二つに割れる

たまに
スイカ割りをしたいと言う子供がいて
それを本当に実行する大人がいる
それを親心と言う

子供は永遠に生きる為に親を殺す
その子供もまた、殺される時に気付く
親はまだ死んでいない
そう気付くが
時すでに遅く
眼球は次の人の元へと
飛んでいく

とても臭い匂いの中
息を吹き返し立ち上がる私は
部屋の中にいる奴の死体を見て頷き
眼球が飛んで行った方角に向かってバイクを走らせる
ウィーンウィーンと機械化していく
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