死ぬ感じ/ペペロ
からだ。
女がおかしいことにはうすうす気づいていた。頭がおかしいから、五十過ぎのオレなのだ。オレはペットみたいだった。猫ではなく犬のほうだ。ペットのほんとうの飼い主を殺してしまおうという感じか。
オレが彼女のペットなら、飼い主からはなれてしまった犬なら、そんなこと考えてたら、泣けてきた。熱に浮かされてきた。高熱におそわれたとき、夢うつつのなかに現れる引き算や足し算にはまっていった。
あのおじさんは借金とかだろうか。理由があるっていいな。
オレがさきに飛び込もう。
あいつが飛び込んだらそこにオレは一緒になりたくない。
自殺の理由に、母のこととか父のこととかあまり関係がない。どうしよう
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