死ぬ感じ/ペペロ
て、きのう妻子に逃げるように伝えた。
いっしょに逃げようと誘われたのだけれど、オレは会社があるから妻の実家がある小田原には行かなかった。どの面さげていっしょに逃げる。
会社にはホテルから通った。
妻子はオレに寛容だった。いや、許してはいないけれど、じぶんたちを殺そうとすることに納得できないといった感じだろう。
おかしくなった女のことを警察には届けなかった。大事になれば会社にも知られてしまう。
あいつを愛人と呼ぶには違和感がある。ちょっとした出費は彼女がいつも出してくれていた。若くて顔もましだったが、なんでオレなんかにとは思わなかった。
女はオレのしょんべんを飲むくらい変なやつだったから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)