死ぬ感じ/ペペロ
そこまでは普通だ。学生服を着こんで朝食だ。目玉焼きにはケチャップだ。そして希望が薄くなっていく。
ここのホームは弧を描いている。だからちょいと顔を向けただけで、目が合ってしまった。車両ならふた車両ほどよこに、もうひとりオレみたいなのが立っている。
あいつも自殺する、すぐわかった。
オレは都内の私立中学に通う中学生だ。このまえ死んだ母のスマホを父に渡されて友人関係を調べるように言われた。それで母が不倫していたことを知った。オレは迷わずに父にバラした。
父は納骨をやめた。家にはまだ母の骨がある。母の両親も怒ってそれを引き取らなかった。
第一発見者はオレだった。帰宅すると母が死んでいた。持って
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