だから君はささやかに赤く光るセンサーに手をかざせばいい/ホロウ・シカエルボク
 

車道わきの小さな側溝の丸められたガムの包み紙は
痛ましい文明に翻弄される都市のポエトリーリーディングだ
センテンスを拾い上げてゴミ箱に返すのさ
遺言に変わるなら詩情も本望だろう
排気ガスが声量だけのシンガーみたいなうたを歌い続けている
ブーイングを飛ばすのは髪を尖らせた連中ばかりだぜ
日本人にパンク・スピリッツを売り込むのはやめときな
あいつらは幾つになっても卒業出来やしないから


マーケットで右腕に買い物かごを引っ掻けて歩いてる連中は
何故だかなんの目的もない放浪者のように見える
かごが埋まるごとに制限時間が減っていくのだ
遊びは終わりだぜ、清算を済ましなよ

[次のページ]
戻る   Point(3)