おだやかな道にとどまろうとしたって/ホロウ・シカエルボク
 
ることがたくさんある、気まぐれは切り上げて帰らなくちゃ…頭ではずっとそう考えていた、だけど、身体はそんな声を気にもしないで、先へ先へと歩みを進めていた、バランスが欠けているんだ、枯れ果てた景色を眺めながら吐き捨てる、だけどそんなこと、べつに今に始まったことじゃなかった、そして、それが良いことだろうと悪いことだろうと、俺はそれに慣れ過ぎていた、そもそも、あらゆる事柄に対してバランスなんてことは考えもしなかった、あらゆる事柄の均整は失われて、崩れ去るべきだとさえ考えていた、そして皮肉なことに、俺は一〇月の二日生まれで、天秤座だった、「一番悲しいことがいつだって喜劇なんだ」そんな台詞どこかで読んだことあ
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