こもんさんの詩について思うこと/渡邉建志
 
うえを生まれてきたものが、堰きとめら
 れる、
 手の束ねられた、ぼくらの夜の
 また別ものめいた夜めいた
 夜の、手の、陰茎のことばの、夜はここだ

 束ねられる
 動物たちの、移動する夜だ、いまは行動するの、でも、
 故郷から
 追い出されてる、追放済みの、追い出されてる動物たちの
 その両手はすでに断たれて、
 截たれて、絶たれてある



「phallic」

秘教的な感覚はこの詩に最も感じる。
題名の呪文性。phallusファルスという言葉にも、
不思議な響きがある。なにか危うげな。
われわれはおそらくこの題名の意味を調べないまま詩を読む。
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