ことの終わりの理/ただのみきや
の
神が賜った猶予だと思った
誰かが戸を開けると光の繊維が絡まって
チクチクするからとても
醜い笑顔を向けてしまう
親切は悪魔
優しさは拷問
いくつもブーメランが刺さったまま
皮を剥ぐ時間こそがとても神聖なのだと
信じて彼らは救われた
語り落ちる葉ひとつ積もることもなく
飛ばされた火の片にふれる者もいない
この瞳に跳ねる鳥の声すら幻聴で
真実はただパイルドライバーの響き
骨の外か内かわからないところで
修正液が破裂する
手紙が読めない夢
鋭い出っ張りのあるドアノブで裂ける掌
感触だけが痛みもなく繰り返され
――ほら レコードが飛んだ
追いかける子供は
獣の
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