ことの終わりの理/ただのみきや
 
は流れ星
スカラベ色の輝く瞳
大空を舞っていた鷲は
道端の小さな野の花に捕食された
それまで己の好色に気づけなかった
物事を白と黒でしか見ていなかったから
自分を殺す者はいつか自分に殺される
触れるものは塵芥(ちりあくた)
人生は灰
冷たい火掻き棒でかき混ぜて
ふるえる火種を拾う朝
灰の中から掴む手があった
臆病な猫の足が交差するように
思考は感覚と本能の間で密封され
懐中時計の正確さで遅れて往く
蓋の開かないロケットの写真
大切な誰かの
思い出せないあの顔が
醜悪に老けて往く
光が完全に遮断された部屋の
他愛も無い地獄


ミイラ化するための
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