無題/◇レキ
下には水脈が
とっくに心に追いつけない
あの人と喋った事などないけれど
喋る時の仕草が好きだった
はっきりしないで何気なかった
それを見るのが好きだった
あいつと喋った事など無いけれど
喋る時の表情が好きだった
ぼんやりたのしく笑ってた
それを見るのが好きだった
続く小さな日々を願うから
昼はたまに散歩をする
冴えわたる緑の中を
たまに少しの水を飲む、木の実を拾う
茂みから聞こえる
鳥の声を軽く聞きたい
夜はたまに焚き火をする
淡く光る星々の下で
たまに少しの木の実をつまむ、水を汲む
街の端から聞こえる
人の声を遠
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