血の騒ぎ/吉岡ペペロ
 
、人格はこいつらより遥かに高い。
岩田はそれを悲しいと思うのだった。
二次会に無理やり引っ張られて、カラオケスナックのその席で、白田は郷里の言葉で岩田に説教をはじめた。
このひとときが彼の目的だったのだ。
内容といえば岩田の後見人である親父の悪口。くだらない。白田のことも、彼の説教に真剣にうつむいて耳を傾けている日田や鶴田のことも、岩田は憐れだと思った。
白田や日田や鶴田は、経歴にしてもいまの立場にしてもじぶんよりもよっぽど立派だ。なのに憐れだ。
岩田はため息のかわりに、ついスマホを触った。白田の説教がとまって、岩田はしまったと思った。
それに気づいたのは、岩田のよこで頭をさげ白田の
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