見たこともない町/宮木理人
を干しながら、コーヒー色に染まるふとんの端をちゅーちゅー吸いながら飲んだ。
次はお前の番だ、と言われて星形のコーラを渡され、皆にじっと見つめられた。
あっけにとられて思わずプルタブを引き、まずは落ち着く為に一口、普通に飲んでみた。喉が渇いていたこともあってすごく美味しく感じられ、結局最後まで普通に飲み干してしまった。皆に見られながら飲むのが少し緊張したせいか、途中で少しむせたりもしたが、周りのみんなはそんなぼくを見つめながら、「逆にそれが新しいのきゃもね…」と言って少し哀しそうに笑った。
見たこともないもので溢れる、見たこともない町へ来た。
つまりはこの町では誰もが見た事の無いもの
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