嘘の種/ただのみきや
輪になって踊っている
誰かの頭骨に躓いて
拾い上げては涙で拭い
霊媒師のように感極まって
腹話術師のようにただ言いたいことを言っている
偽の免罪符を胸に秘め
どこかに本物があるという
甘いキ印の巻き紙で巻いた煙草みたいに
自らを消費する
煙の白へ
無の青へ
*
あなたに覆われて
眠る 白く
わたしは死を食らい命を孕む
鍋で煮て
朽ちさせる
物事は
互いにとって代わる
冷たい指先が
わたしの上でほどけ
心臓を流れる濁った河
夢見がちな死が
ぬれた大地を渡る が
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