記憶がなくなれば永遠になることが出来る/ホロウ・シカエルボク
のことばかりを考え始めていたのだ、それはもしかしたら、死を迎えるのには最高のロケーションなんじゃないかなんて―そんなことを。
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僕らは立ったまま夕食をとる、窓の外を見つめたまま。そしてもう一度宇宙について考える、僕たちは絶対にそこに行くことは出来ない。「宇宙になど行かなくていい」と君は言って微笑む。僕は夕食の固形物を少し喉に詰まらせる、飲物を流し込み、すぐに呼吸は楽になるけれど、喉の奥が引っ掻かれたみたいに痛む、僕は子供のころから何かを飲み込むことがまるで上手くない…悲鳴の記憶はいつからここにあるのか?もう何度となく考えたその疑問が、ひとりでに抜け出してはそこらの壁を駆け回る、僕は頭
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