記憶がなくなれば永遠になることが出来る/ホロウ・シカエルボク
のことで…思春期を埋葬した十六の夜から僕たちは、互いを互いに馴染ませるコツを上手く見つけては実行してきた、僕たちのプログラムは、共有という概念をいとも簡単に飲み込むことが出来た―それは逆に言えば、僕たちがそれだけ空っぽだったということだ、空っぽには領域というものが存在しない、個の限界を別にすれば僕はある程度君になることが出来るし、君もまたある程度僕になることが出来る、君はべつにそんなものになりたくないと喜劇的な軽蔑をもって言うだろうけれど…時計の長針が進むたびに少し温度が下がる、ヒーターの熱は不思議なほどこの窓辺を温めてくれはしない、僕らはぶるぶるっと震えて、ソファーに引っ掛けたままのおそろいのル
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