流時紋/ただのみきや
 

絶えず在るということは
絶えず無いということと
           相殺され
         円環される
       像の瞬きで
      誰もが朧に掴んでは
空虚な世界に化粧をする

わたしは夜の髪に櫛を入れる
無駄なことだとわかっていても
         誰のためでもないただ
一人歩きする欲求に首輪をつけず
一枚の写真のように翌朝を
   燃やすことを夢見ている
          目覚めたまま
灰に埋もれている

うす皮一枚やぶって現れる意思
――自分でも蝕知できない――
見えざる巨大な違和 その突端は
 立ち向かう 志であったろうか

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