天国を待ちながら、だけどこの身体の居心地もまんざら捨てたもんじゃない/ホロウ・シカエルボク
る
窓の外は不自然に明るい
この窓には街灯が近過ぎるのだ
椅子に身体を預けて
目を開けたままとめどない夢を見る
おれはピッケルを手にして
途方もない氷山の頂上を目指している
大真面目に
温度が上がれば溶けてしまうようなものに
到達するような価値はあるだろうか
疑問符が拭えるわけではないが
だからといって足が止まるようなこともない
砕けた氷が風に乗って顔に降りかかる
それは脳まで入り込んでまだ生まれていない言葉に奇妙なアクセントを残す
ロックンロールが表現するものは本当に激しさだろうか
おれには哀しみのように思える
囁くようなジャズに殺意が隠れているように感じ
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