アンサンブル/ただのみきや
 
な火が
胸から裂けて迸るように
叫び歌うフルート 高く 遠く


太鼓 どよめく大地に
揺れる草々 萌える草
石鹸も買えない人々の饐えた匂い 
叫びと嗚咽の危うい規則性――リズム
夕陽を受け切れず煮え滾る海
うねる肉体 皮を張られた虚ろ
殴打される呪具たち ガムラン
苦痛と陶酔は溶け混じり回し飲みにされる


翼を捨てた者たちは捧げるだろう
石化した両の眼と
枯れたシロツメクサの冠を
乾き切らない罪責感を添えた絵皿で


肉体の文字盤 ダウジング
揺れるナイフ 円の収束
直立するはらわた 蛇使いの笛
マゾヒストのルビー
乖離した夜 混沌の朝
ゆっ
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