メモリアル・ムーン/ホロウ・シカエルボク
るようになって
おかげでわたしはずいぶんと楽をすることが出来るようになった
おまえが変わり始めたのは二年目の春からだった
綺麗なプラチナブロンドをおぞましい色に染めて
はしたない服を着て夜遅くまで出歩くようになった
「悪い連中と付き合っているようだ」と近所の奥さんに教えてもらった
何度も口論をしたね
おまえは一度も謝ろうとはしなかったし
わたしは一度もそれを許そうとはしなかった
わたしの心臓が悪くなってからは
おまえが帰って来るまで起きていることも出来なくなった
足枷のなくなったおまえは
さぞかし楽しい毎日を過ごしていたのだろうね
たまに家の中で顔を合わせても
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