目論んでいたんだろう―日の当たらない公園の一角で、ずっと。/ホロウ・シカエルボク
のに姿は見えなかった、羽音は俺の周りをしばらく飛び、それから耳の中に飛び込んできた、たくさんの羽音が俺の脳味噌の中で反響した、それを聞いていると俺はなんだか自分が自分ではないような、そんな気がしてくるのだった―そうして頭蓋骨の中で反響し続ける羽音を聞いていると、その音の向こうに、誰かが叫んでいるような声がしていた、俺は半ば操られているような感覚を覚えながらその声が聞こえる方に目をやった、そのとき、羽音は猛烈なモーターのように回転数を上げ、俺は脳味噌にたくさんの裂傷を受けたような気分になって頭を抱えた、そしてそれからなにも判らなくなった―身体が濡れて疲れている感覚に我に返ると、さっきまで雨宿りをして
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