あらかじめなにかが窒息している/ホロウ・シカエルボク
てしまうのだ…コーヒーはひどく冷めてしまった、飲みつくしてしまおうか、それとも流してしまおうかとしばらくの間考えたが、結局飲みつくして捨てた―台風は初めこそ勢いが良かったがそのあとは俺の住むボロ屋でさえ無事にまぬがれる程度のお粗末なものだった、台風が来るといまでも、もしかしたらすごく面白いことが起こるんじゃないかと考えてしまう、でもそんなことは起こりっこない、飲み干したコーヒーの後味が残るだけだ―しばらくの間アプリゲームに興じたが進展は見られなかった、上手くやらなくちゃ駄目だよ、と俺は自分自身に話しかける、みんな上手くやれないんだ、ヴィジョンってもんがまるでないせいさ…ただただある種の―そう、ジャ
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