あらかじめなにかが窒息している/ホロウ・シカエルボク
で行くんだい、と俺は彼らに尋ねた、定められたところまでさ、と、なんでもないことだというような顔をして彼らは答えた、「定められてどうするんだ」どうもこうない、と列車たちは答える、「俺たちは初めからそういうものとして作られてプログラミングされて設置されてるんだ、様々な場所を走るけれど、どこを走ったところで枕木の上であることに変わりはないさ」それもそうだな、と俺は答える、「君の暮らしは面倒臭そうだ」列車たちはそう言って汽笛のような笑い声を上げた―大昔、と俺は考える、大昔に、俺の脳味噌のキーボードを叩いてプログラムを実行したのは誰なんだ?そんな疑問に答えなどあるはずもなかった、謎のために人は歩みを続けてし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)