骨/ただのみきや
トで打たれ力が全身を波打って
「真っ白になって何光年も飛ばされたような
「だけどおれは薬(ヤク)の売人でもなければ浮浪者でもない
「腐った果実を投げつける怠け者の労働者だ
アダプターがないから
どんなにのばしてみてもつながらない
切って切ってもヒナゲシは淡く灯らずに
夏草の幽霊たちが揺れていたあの道が
糸のように細くなってしまう
顔を歪め釣り上げられる魚だった
男は癇癪を起して
白い舗装道路を胸に突き刺し直結した
すると日没に向かって鴉が一斉に歓喜を舞った
男の影も大きな鴉のようだったが
むかし愛した女の一番小さな黒子よりも微小な
存在でしかなかった どこにどう
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