遠い世界の夜/ホロウ・シカエルボク
 
上がって顔を洗い、朝食を食った、すぐに全部吐いた、洗面所で一時間近くうがいをした、内臓が腐って胃袋に溜まっている気がした、ああ、と声を吐いた、インスタントコーヒーを入れて飲んだ、それは吐かなかった、一日は砕けた後頭部のようにがら空きだった、しなければならないことはおそらく想像以上にあったが、なにもやりたい気持ちにならなかった、夢の方がずっとメリハリがあってリアルだった、食卓の椅子に座って窓の外を見ている間に午後になっていた、ノコギリを探した、住処のなかにはなかった、そういえばそんなものを使ったことなんてない…買いに行こうと思った、服を着替えて、姿見でチェックした、ちゃんとした服装なのかどうかどうし
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