遠い世界の夜/ホロウ・シカエルボク
た顔面から物凄い血が流れる、俺は頭を床に押さえつけてモップのように血溜まりの中を右へ左へとスライドさせる、そうするほどに血の量は増えていく、床に垂れた髪の毛はぐっしょりと濡れてアヴリル・ラヴィーンのような色になっている、手を離し、足の裏で頭を蹴っ飛ばす、ゴスン、ゴスンと酷い音がして頭がグラグラと揺れる、フローリングで肌が引っかかって鈍い摩擦音がする、アハァ、なんて忌々しい音だ!立ち上がって後頭部を踏んづける、こんなものは潰してしまうに限る、ゴスン、ゴスンと物凄い音がする、階下の部屋は開いている、右隣の部屋は明け方まで帰っては来ない、左隣は壁だ…誰に気を使うこともない、数十回はそうしただろうか?やが
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