試供品の朝/ホロウ・シカエルボク
そんな粗末な寝床にかじりついて
どんな夢を見ようというのだね
おまえは堅実に生きることで
浅ましさを手に入れている
処刑のなされた丘で放置された罪人どもの血が
土に染み込んで飲み水を汚す
もはや誰の罪か判らなくなったそれが
いつかおまえの子にひどい口をきかせるだろう
祈りの効力などない
善行の見返りなどない
だれも品性だけで幸せを勝ち取ることなど出来ない
おまえは人間を上等なものに思い過ぎている
たたかいの話をするとおまえは
おれのことを恥知らずのように言うが
げんにおまえはおれをやり込めようとして
そんなふうにいっている
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