日向の標本/ホロウ・シカエルボク
どうかということはまるで判らなかった、ただ、そこにそれを埋め込んだやつはどんなことを考えながら埋め込んでいたのかということを知りたかった、それがアクリルガラスであることは喜びだったのか、悲しみだったのか、まあ、戯言と言ってしまえばそれまでだけれど、おれはそうしたことを考えながら思考的な意味での出口を探していたのだ、窓の外はずっと眩しかった、いつからそんな風に眩しいのかまったく思い出せなかった、ただ判っているのは、ずいぶんと長くそこにそうしているような気がするということぐらいだった
4
起き上がるべきだと思った、それにどんな意味があるのかなんて判らなかったが、動かせるものは動かして
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)