そしてそれはどちらであればよかったのだろう(オリジナル・スープ)/ホロウ・シカエルボク
 
つい顔の警官がぬっと首を突っ込んできた、「ひどく暴れているという通報がありまして」おれは警官がなにを言っているのかよく理解出来なかった、だから「寝てた」とだけ答えた、「ずっと寝ていましたか?どのくらい前からですか?」「よくわからない、生首をたくさん叩き潰して…」「はい?すみません、もう一度言っていただけます?」おれはどう説明したものかと玄関から部屋を振り返った、殺風景な部屋の床にはなにも見えなかった、ついさっきまで、真っ赤な湖の上で眠っていたというのに―おれは自分の衣服を確かめた、夕方にシャワーを浴びて着替えたままの状態だった、あれだけの血を吸い込んだ形跡などどこにもなかった、「ああ」とおれは思わ
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