そしてそれはどちらであればよかったのだろう(オリジナル・スープ)/ホロウ・シカエルボク
思わずそう嘆いた、大家と警官は辛抱強く黙って待っていた、「夢を見ていたんだ」とおれは弁解した、「お騒がせして申し訳ない」そう言って頭を軽く下げた、ふたりはまるで納得していないようだったが、おれが口走った様々な言葉は、寝ぼけていたせいなのだろうというような結論を見出して去って行った、おれは玄関をロックし、部屋に戻り、床に腰を下ろした、夢だったのだろうか―脱力して、床に寝転がった、はやくから眠っていたのか?まるで思い出せなかった、やつらの叫び声がまた、耳の奥で反響した気がした。
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